弁護士・木村哲也
代表弁護士
主な取扱い分野は、労務問題(企業側)、契約書、債権回収、損害賠償、ネット誹謗中傷・風評被害対策・削除、クレーム対応、その他企業法務全般です。八戸市・青森市など青森県内全域の企業・法人様からのご相談・ご依頼への対応実績が多数ございます。
はじめに
法令の改正により、新たな労働条件明示のルールが定められました。
企業は、従業員を雇用する場合、従業員に対し、雇用契約書または労働条件通知書により、労働条件を明示する必要があります。
今回の改正により、新たなルールとして、
①全労働者について「就業場所・業務内容の変更の範囲」の明示
②有期契約労働者について「更新上限の有無・内容」の明示
③有期契約労働者について「無期転換申込機会・無期転換後の労働条件」の明示
が義務付けられることとなりました。
全労働者について「就業場所・業務内容の変更の範囲」の明示
今回の改正により、全労働者について「就業場所・業務内容の変更の範囲」の明示が必要となります。
明示が必要とされるタイミングは、すべての労働契約の締結時と有期労働契約の更新時です。
改正前は、雇入れ直後の就業場所・業務内容を明示すれば足りるとされていました。
今回の改正では、従業員の予見可能性の向上等の観点から、配置転換等により変更され得る就業場所・業務内容の範囲も明示することとされました。
有期契約労働者について「更新上限の有無・内容」の明示
有期契約労働者について、契約期間が長期間になることを回避するために、更新回数または通算契約期間に上限(更新上限)を設けることがあります。
今回の改正により、有期契約労働者について「更新上限の有無・内容」の明示が必要となります。
明示が必要とされるタイミングは、有期労働契約の締結時と更新時です。
更新上限の有無・内容が不明確な場合、契約更新・無期転換に関する労使の認識の相違からトラブルが発生しやすくなるため、今回の改正により明示が義務付けられました。
あわせて、最初の労働契約の締結より後に更新上限を新設・短縮する場合、その理由を労働者にあらかじめ(新設・短縮する前のタイミングで)説明することが必要となります。
有期契約労働者について「無期転換申込機会・無期転換後の労働条件」の明示
今回の改正により、有期契約労働者について「無期転換申込機会・無期転換後の労働条件」の明示が必要となります。
明示が必要とされるタイミングは、無期転換申込権が発生する契約の更新時です(※)。
※同一の使用者との間で有期労働契約が通算5年を超えるときは、労働者の申込みにより無期労働契約に転換されます(無期転換ルール)。
あわせて、無期転換後の労働条件を決定するにあたって、就業の実態に応じて、正社員等とのバランスを考慮した事項(例えば、業務の内容、責任の程度、異動の有無・範囲など)について、有期契約労働者に説明するよう努めなければならないこととなります。
新たな労働条件明示のルールのまとめ
新たな労働条件明示のルールを整理すると、次のとおりとなります。
対象者 | 明示のタイミング | 追加となる明示事項 |
---|---|---|
全労働者 | すべての労働契約の締結時と有期労働契約の更新時 | 就業場所・業務内容の変更の範囲。 |
有期契約労働者 | 有期労働契約の締結時と更新時 | 更新上限の有無・内容。 あわせて、最初の労働契約の締結より後に更新上限を新設・短縮する場合、その理由を労働者にあらかじめ説明することが必要。 |
有期契約労働者 | 無期転換申込権が発生する契約の更新時 | 無期転換申込機会・無期転換後の労働条件。 あわせて、無期転換後の労働条件を決定するにあたって、就業の実態に応じて、正社員等とのバランスを考慮した事項について、有期契約労働者に説明するよう努めなければならない。 |
労働条件の明示義務に違反した場合の罰則
労働条件明示のルールに違反した場合、違反行為をした者および事業主は30万円以下の罰金に処せられます(労働基準法120条1号、121条)。
新たな労働条件明示のルールを反映した「雇用契約書」の書式
雇用契約書を含む従業員採用時の法務書式は、次のコラム記事でご紹介させていただいております。
【関連コラム】
●従業員採用時における内定通知書・雇用契約書・入社時誓約書・身元保証書等の書式
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記事作成弁護士:木村哲也
記事更新日:2023年11月28日
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