弁護士・木村哲也
代表弁護士

主な取扱い分野は、労務問題(企業側)、契約書、債権回収、損害賠償、ネット誹謗中傷・風評被害対策・削除、クレーム対応、その他企業法務全般です。八戸市・青森市など青森県内全域の企業・法人様からのご相談・ご依頼への対応実績が多数ございます。

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1 はじめに

工場・工事などのばい煙・粉じんに対し、周辺住民等からのクレームが発生することがあります。

今回のコラムでは、工場・工事などのばい煙・粉じんに関するクレーム対応のポイントについて、解説いたします。

2 ばい煙・粉じんの排出規制

(1)大気汚染防止法

ばい煙・粉じんの排出規制を定める法律として、大気汚染防止法があります。
大気汚染防止法では、一定規模以上のばい煙・粉じん発生施設について、排出等基準が定められています。

そして、大気汚染防止法では、ばい煙・粉じんの排出等基準の遵守のため、ばい煙・粉じん発生施設の設置等の届出、特定粉じん排出等作業の実施の届出、都道府県知事による計画変更命令・改善命令、排出基準違反に対する罰則などの措置が定められています。

(2)青森県公害防止条例

青森県公害防止条例では、大気汚染防止法に定める規模よりも小規模の施設を対象として、ばい煙・粉じんの排出基準が定められています。

そして、青森県公害防止条例では、ばい煙・粉じんの排出基準等の遵守のため、ばい煙・粉じん関係施設の設置等の届出、青森県知事による計画変更命令・改善命令、排出基準違反に対する罰則などの措置が定められています。

3 ばい煙・粉じんの受忍限度論と法的リスク

工場・工事などを施工・運営する事業者は、周辺住民等に対し被害が及ぶことのないように配慮し、十分な安全対策をとることが求められます。

事業者のばい煙・粉じん対策が不十分であるために、周辺住民等が通常受忍すべき限度を超えるような被害を受けている場合には、違法なばい煙・粉じんの排出が行われているものとして、裁判により差止や損害賠償の支払を命じられるリスクがあります。

このように、ばい煙・粉じんの排出が違法となるどうかは、周辺住民等の受忍限度を超えるかどうかが判断基準になる、と一般的には考えられています。
このような考え方のことを、「受忍限度論」と言います。

そして、ばい煙・粉じんの排出の違法性(受忍限度を超えるかどうか)は、周辺住民等の住居等にばい煙・粉じんが飛散したかどうか、どの程度飛散したか、粉じんの飛散により周辺住民等にどのような被害が生じたか、などを考慮要素として判断されると考えられます。
大気汚染防止法や条例による排出基準等と違法性の判断は必ずしも一致するとは限りませんが、排出基準等を遵守しているかどうかという点は重要な判断要素となるでしょう。

4 ばい煙・粉じんに関するクレームを受けた場合の対応

ばい煙・粉じんに関する周辺住民等からのクレームでよくあるのは、住居建物の内外が汚れた、車が汚れた、洗濯物が汚れた、目に入るなどの健康被害を受けた、とするものです。
クレームの発生を防止するためには、普段から十分なばい煙・粉じん対策の措置を講じておくことが大切です。

そして、周辺住民等からばい煙・粉じんに関するクレームがあった場合、まずは大気汚染防止法や条例による排出基準等の違反の有無を確認し、もし違反があれば速やかに改善する必要があるでしょう。

また、損害賠償等の責任の有無を判断するためには、まずは当該周辺住民等の住居等に付着した飛散物の成分の分析をし、自社の工場・工事などから排出されるばい煙・粉じんの成分と一致するかどうかの確認をする、などの対応が必要となるでしょう。
そのうえで、周辺住民等に対する補償の有無・内容、および説明の内容について検討していくことになるでしょう。

なお、ばい煙・粉じんの排出をめぐるトラブルの防止、および万が一裁判等に発展した場合に備えて、大気汚染防止法や条例による排出基準等の遵守はもちろんのこと、普段からばい煙・粉じん対策のために講じている措置の記録・証拠を残しておくことが重要です。

5 弁護士にご相談ください

当事務所では、クレーム対応に関するご相談・ご依頼を承っており、対応経験・解決実績も豊富にございます。

クレーム対応に関するアドバイス、周辺住民等に対する説明の同席対応、代理人としてのクレーム対応窓口など、充実したサポートを提供いたします。

ばい煙・粉じんに関するクレームでお困りの企業様がいらっしゃましたら、ぜひ一度、当事務所にご相談いただければと存じます。

記事作成弁護士:木村哲也
記事更新日:2024年8月1日

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