発信者情報開示命令とは
発信者情報開示命令は、2022年10月1日に施行された改正プロバイダ責任制限法により作られた制度です。
発信者情報開示請求では仮処分および訴訟の2段階の手続により開示を求めていましたが、発信者情報開示命令では一体的に審理し迅速に開示を受けられる点に特徴があります。
発信者情報開示命令の手続の流れ
以下では、発信者情報開示命令の手続の流れをご紹介いたします。
①サイト管理者に対する発信者情報開示命令の申立て
サイト管理者を相手方として、IPアドレス等の発信者情報開示命令を裁判所に申し立てます。
SNSや実名登録サイトなどサイト管理者が投稿者の電話番号、メールアドレス等を知っている場合には、併せて電話番号、メールアドレス等の開示命令を裁判所に申し立てます。
②提供命令の申立て
発信者情報開示命令に附随して、サイト管理者を相手方として、接続プロバイダの情報の提供命令を裁判所に申し立てます。
③接続プロバイダ情報の提供
提供命令は書面審理により数日~1週間程度で発令され、接続プロバイダの名称・住所が分かります。
実際に接続プロバイダの情報が提供されるまでには、サイトによりますが1週間~2か月程度かかります。
④接続プロバイダに対する発信者情報開示命令の申立て(小帯)
接続プロバイダを相手方として、投稿者の住所・氏名の発信者情報開示命令を裁判所に申し立てます。
⑤消去禁止命令の申立て
接続プロバイダのログ保存期間が短い場合には、ログの消去禁止命令も併せて申し立てておく必要があります。
⑥IPアドレスの通知
接続プロバイダに対する発信者情報開示命令の申立て(上記④)をした旨をサイト管理者に連絡します。
そうすると、サイト管理者から接続プロバイダに対し、IPアドレス等の情報が提供されます。
サイトによっては、この提供に1か月程度を要することもあります。
この段階で、サイト管理者に対する発信者情報開示命令手続と接続プロバイダに対する発信者情報開示手続が併合され、一体的に審理されることとなります。
⑦発信者情報の開示
接続プロバイダが投稿者に対し住所・氏名の開示の可否を意見聴取し(電話番号、メールアドレス等の開示命令の申立てをされたサイト管理者が意見聴取する場合もあります)、投稿者が同意すれば裁判所の決定を待たずに投稿者の住所・氏名(および電話番号、メールアドレス)が開示されます。
投稿者の同意がなくても、裁判所の開示命令が出されると投稿者の住所・氏名が開示されます。
接続プロバイダに対する発信者情報開示命令の審理期間は、1~2か月程度が標準的です。
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