はじめに

売買契約とは、売主が商品などの目的物を買主に移転し、買主が対価を支払うことを内容とする契約のことを言います。
売買契約の本質は、目的物と代金額の特定ですが、それ以外にも、目的物の引渡期日、代金の支払期日、目的物に不具合がある場合の責任、損害賠償、契約の解除などに関する取り決めを、売買契約書に記載するのが通常です。

売買契約書の種類としては、不動産や動産の売買契約書、債権や株式の売買契約書、知的財産権の譲渡契約書などがあります。
また、商品などの動産の売買契約については、継続的な取引基本契約を前提とし、取引基本契約のもとに個別の売買契約が行われる形態もあります。
この場合には、取引基本契約書と個別の売買契約書の2種類が作成されることがあります。

このページでは、動産売買契約書について、解説させていただきます。

動産売買契約書のポイント

売買の合意

動産売買契約書では、目的物と代金額の特定という売買契約の本質的事項について、まずは明示する必要があります。

【条項の例】
売主は、買主に対し、本件物品を、下記の売買代金で売り渡し、買主はこれを買い受ける。

目的物の引渡し

売買の目的物の引渡条件についても、取引当事者にとって重要な事項ですので、動産売買契約書では必ず盛り込むようにしましょう。

【条項の例】
売主は、買主に対し、下記の引渡日及び引渡場所において、本件物品を引き渡す。ただし、引渡費用は、下記の金額とし、これを買主の負担とする。

検収

商法526条では、商人間の売買により買主が売主から目的物の引渡しを受けたときには、買主は遅滞なく検査をしなければならないことなどが定められています。
企業・法人間の売買では、このような検収に関する条項を設けるべきです。

【条項の例】
(1)買主は、本件物品の引渡しを受けたときは、本件物品の引渡し後3営業日以内に、本件物品の種類、品質及び数量を検査する。
(2)買主は、前項の検査の結果、本件物品に種類、品質又は数量に関する契約不適合を認めた場合、前項の検査後3営業日以内に、売主に対して書面により通知する。買主がこの期限内に通知を行わなかった場合は、検査に合格したものとみなし、これをもって検収完了とする。

代金の支払

代金の支払条件についても、取引当事者にとって重要な事項です。
動産売買契約書で明示するようにしましょう。

【条項の例】
第〇条の売買代金及び第〇条の引渡費用の支払条件は下記のとおりとし、乙はこれを下記の指定口座に振り込む方法により支払う。ただし、振込手数料は、乙の負担とする。

所有権の移転

目的物の所有権の移転時期についても、取引当事者にとって重要な取り決めです。
特に、売主からすれば、売買代金を支払ってもらった後に目的物の所有権が移転することになっているかどうかについて、しっかりと確認するようにしましょう。

【売主に有利な条項の例】
本件物品の所有権は、買主が売主に対し第〇条の売買代金等を全額支払ったときに、売主から買主に移転する。

【買主に有利な条項の例】
本件動産の所有権は、買主が売主から本件動産の引渡しを受けたときに、売主から買主に移転する。

動産売買契約書のひな型

企業間における機械の売買を想定した売買契約書のひな型を、以下でご紹介させていただきます。
なお、以下でご紹介させていただくものは、あくまでもサンプルです。
取引の内容や契約の背景事情、契約当事者の要望等に合わせた修正が必要となるのが通常ですので、当事務所の弁護士にご相談いただければと存じます。


【売買契約書】のひな形をダウンロード
指導書のひな形

弁護士にご相談ください

以上のほかにも、動産売買契約書には、注意すべきポイントが多々あります。

契約書のチェック・作成については、法律の専門家である弁護士にご相談ください。
当事務所の弁護士は、これまでに、地域の企業・法人様から、契約書のチェック・作成に関するご相談・ご依頼を多数お受けして参りました。
ぜひ一度、当事務所にご相談いただければと存じます。

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