弁護士・木村哲也
代表弁護士

主な取扱い分野は、労務問題(企業側)、契約書、債権回収、損害賠償、ネット誹謗中傷・風評被害対策・削除、クレーム対応、その他企業法務全般です。八戸市・青森市など青森県内全域の企業・法人様からのご相談・ご依頼への対応実績が多数ございます。

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1 はじめに

病院・クリニックでは、院内での出来事や診療内容等について、クレームを受けることがあります。

今回のコラムでは、病院・クリニックのクレーム対応のポイントについて、ご説明いたします。

2 クレーム対応の原則

病院・クリニックのクレーム対応においては、以下の原則を押さえるようにしましょう。

①複数人で対応すること
スタッフの負担を減らし、患者を落ち着かせることができます。

②別室に案内すること
他の患者への迷惑を避け、患者を落ち着かせることができます。

③丁寧な聴き取り・説明を行う
患者の話を否定せずに聴き取りし、患者の気持ちを落ち着かせたうえで丁寧な説明を行います。

④メモをとる
クレームが正確に伝わっていないと患者が感じると、さらにクレームがエスカレートすることが考えられます。
また、クレームの内容や回答内容を記録したメモは、万が一裁判に発展した場合にも有益な証拠となります。

⑤クレームの内容を院内で共有する
クレームの内容や対応状況は、院内で共有するようにし、対応したスタッフ以外は知らないということがないようにしましょう。

⑥できない約束・特別待遇をしない
約束してしまったことは履行を求められ、一旦特別待遇をすれば次回以降も同じ待遇を要求されます。
例えば、待ち時間が長いというクレームに対し、特別に診療の順番を早めることはしてはいけません。

⑦違法行為に注意する
例えば、正当な理由のない診察拒否・診断書作成拒否は、医師法19条に違反します。

⑧弁護士に相談する
困難な事案については、弁護士による対応に切り替えることもご検討いただくとよいでしょう。

3 応召義務や診療義務・説明義務の問題

医師法19条1項では、「診療に従事する医師は、診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない」とされています。
これを一般に応召義務と言いますが、病院・クリニックは原則として診療する義務や診療に関する説明の義務を負うこととなります。

ただし、「正当な理由」がある場合には、診療する義務を負わないと考えられます。
東京地方裁判所平成26年5月12日判決では、患者が何度も来院し病院の説明に対し大声で不満を述べることを繰り返し、相談室に長時間居座るなどした事案において、病院の説明義務違反はなく、信頼関係が破壊されているから診療義務もないと判断しました。

一方で、患者からクレームを付けられたからといって、それだけで「正当な理由」があるとはされないことに注意する必要があります。
医師により説明をしなければならない事項については十分に説明を行う必要がありますし、診療を拒否しなければならないほどのクレームであることを対応状況とともに記録しておくようにしましょう。

4 病院・クリニックでよくあるクレーム事例

①スタッフの対応・態度に関するもの
看護師に対する苦情
医療事務に対する苦情
ソーシャルワーカーに対する苦情

②診察・治療に関するもの
誤診であるとする苦情
検査に関する苦情
手術の内容・結果に関する苦情

③病院・クリニックのサービス・対応に関するもの
入院患者の食事に関する苦情
待ち時間に関する苦情
予約に関する苦情
時間外対応に関する苦情
クレームに対する回答が遅いことを問題とする苦情
患者の家族からの苦情
謝罪文・文書回答の要求

④治療費に関するもの
会計に関する苦情
治療費の支払拒否
治療費の返金要求

5 弁護士にご相談ください

当事務所では、病院・クリニックのクレーム対応に関するご相談・ご依頼を承っております。
クレーム対応に関するご相談、患者に対する説明の同席対応、クレーマーとの交渉の窓口(代理)対応など、様々なサポートが可能です。
クレーム対応についてお困りでしたら、当事務所にご相談いただければと存じます。

記事作成弁護士:木村哲也
記事更新日:2024年6月14日

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