はじめに

企業・法人における不祥事として、法令違反を理由とする行政指導・行政処分が挙げられます。
企業・法人が事業を運営するにあたって、様々な行政指導が入ることが想定されます。
また、企業・法人が行政指導に従わない場合や、重大な法令違反が認められる場合には、行政処分を受ける事態に陥ることもあり得ます。
このページでは、法令違反を理由とする行政指導・行政処分への対応について、ご説明させていただきます。

行政指導への対応

行政指導とは、行政機関が企業・法人に対し、一定の行政目的を実現するために、一定の措置または措置の停止を求める指導、勧告、助言などを行うことを言います。
行政指導に従わないことによる直接的な制裁はなく、法的な強制力を有する行政処分とは異なります。
一方で、行政指導に従って改善を行わなければ、次のステップとして行政処分が出されることが想定されますので、慎重に対応を検討していかなければなりません。

企業・法人が行政指導を受けた場合、行政指導が正当なものである限りは、基本的には行政指導に従うべきでしょう。
やみくもに行政指導に反発し、行政処分を受ける事態に発展すれば、企業・法人の存亡に関わることもあり得ます。
一方で、行政指導に納得することができず、不服というケースもあるかもしれません。
そのような場合には、行政指導の根拠となる法令の解釈や事実関係の有無・評価について、慎重な調査・検討を行う必要があります。
そして、行政指導に問題があることが分かれば、その旨を主張して行政との交渉を行うこととなります。

行政処分への対応

企業・法人が行政指導に従って改善を行わない場合、行政機関が行政処分を行うことがあります。
また、法令違反の程度が重大な事案では、行政指導をはさまずに、いきなり行政処分が行われることがあります。
行政処分とは、業務停止命令や許認可取消処分など、公権力の発動として法的な強制力を有するものです。
企業・法人が行政処分を受けることがあれば、そのダメージは甚大なものがありますので、日常業務においてコンプライアンスを重視するとともに、行政指導を受けた場合には慎重な対応が必要です。

行政処分に対して不服がある場合には、企業・法人は行政処分を争う手続を取ることができます。
具体的には、行政不服審査法に基づき、一定期間内に、行政処分を行った行政機関や上級の行政機関に対し、異議申立てや審査請求の手続を行うことができます。
また、行政事件訴訟法に基づき、一定期間内に、裁判所に対し、行政処分の取消訴訟を提起することができます(行政処分の根拠となる法律に、行政処分の取消訴訟を提起する前に、まずは審査請求を行わなければならないことが定められていることもあります)。
これらの手続によって行政処分の違法性が認められれば、行政処分が取り消されます。

弁護士にご相談ください

法令違反を理由とする行政指導・行政処分についてお困りの企業・法人様がいらっしゃいましたら、まずは法律の専門家である弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。
弁護士にご相談いただければ、行政指導の正当性に関する判断、行政との交渉、行政処分に対する不服の手続など、様々なサポートをさせていただくことが可能です。

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