1 業種
医療・福祉
2 事案の概要
ご相談企業様で、退職した従業員(相手方)が同僚からパワーハラスメントを受けたと主張し、慰謝料を請求する旨の内容証明郵便を送付してくる事案が発生しました。
ご相談企業様は、パワーハラスメントの主張を受け、社内調査を実施しましたが、パワーハラスメントに該当する事実は確認できませんでした。
そして、ご相談企業様は、相手方に対し、その旨を回答しました。
しかし、相手方は、ご相談企業様の回答に納得せず、電話を掛ける、郵便物を送るという方法により、パワーハラスメントの主張と慰謝料の請求を繰り返しました。
相手方の発言および郵便物の記載には、ご相談企業様に対する脅しと認められる内容もありました。
3 当事務所の対応
ご相談企業様は、「今後の対応を弁護士に依頼したい」とのことで、当事務所にご相談に来られ、対応をご依頼いただきました。
当事務所の弁護士は、ご依頼を受けたあと、速やかに、相手方に対し、①今後の交渉対応等の依頼を受けたこと、②パワーハラスメントに該当する事実が確認できないため、慰謝料の支払には応じられないこと、③今後、業務妨害等に該当する違法行為が見られた場合には、法的措置を検討すること、④今後はご相談企業様およびその関係者に対する直接連絡を禁止すること、などを記載した書面を送付しました。
その後、相手方から、当事務所の弁護士宛てに一度だけ電話があり、当事務所の弁護士からの送付書面の内容に対する不満などを述べましたが、それ以降はまったく音沙汰がなくなり、収束に至りました。
4 対応のポイント
退職した従業員がハラスメントを受けたという虚偽の主張をし、慰謝料の要求などをしてくる事案が散見されます。
このような要求行為に対応する担当者様の精神的負担は大きく、対応に苦慮される場合には専門家である弁護士にご相談いただくのがよいでしょう。
本件のように、法的な交渉のプロである弁護士が介入し、毅然とした態度で理路整然と要求を拒否する旨の回答を行うことにより、要求行為を断念させられる事例も多いです。
退職した従業員とのトラブルについてお困りの企業様は、労務問題を得意とする当事務所の弁護士にご相談いただければと存じます。